2013年1月3日木曜日

2013年、元日

久々に早起きが出来た元日の朝。前日の年越し蕎麦の残りのつゆを用いて雑煮をこしらえ、なかなか気分の良い一日の始まりを迎えた。

ちょうど昼に支度を終え、実家へ向かう。

成田で途中下車し、成田山の表参道をゆるく巡る。しかし夫婦揃って人混みと行列を嫌うため、新勝寺敷地内に着くには至らず。流石は腐っても成田山。空港と寺の街。しかし成田代表ゆるキャラ、うなりくんが気になる(モヤさまでも取り上げられてたね)。

そして実家へ。軽く飯を済ませ、先月までやっていた長澤まさみ主演の某ドラマの主なロケ地となった高校(母校)を見に行ってみた。高校時代なんて良い思い出は一つとて無いが、ドラマに使われてた場所を次々と見ては嫁とミーハー心を震わせた。そして母と共に地元の由緒正しき寺へ。

人影一つも無い樹齢400年超の杉林。今日がどんな日であろうと、その姿は陽の光を遮り、土が乾くことも許さず、冬の寒さをより確かなものとしていた。見上げれば厳かに立ち尽くす大木の群れ。所々に静かに立つ古い建造物。それらが僕には何だかたまらなく恐怖だった。脇にある神社のお稲荷すら、早く帰れと言っている様にすら感じた。


また、約3年前に廃校になった小学校にも寄った。身体の成長からか敷地、建造物、遊具のそれらがちっぽけなものに感じられた。校庭は手が加わっている様だったが、校舎は所々荒れ、朽ちていた。子どもの声が途絶えたこの敷地も、近い将来、特別支援学校となる計画がある。早くその日が訪れることを願う。

そしてまた実家へと戻った。

年長者が亡くなっていくに連れ、形式的な正月も消えてしまった。特にそれといって正月らしいこともせず、仏壇の祖父母の写真の前で静かに手を合わせ、猫と戯れ、横になってテレビを眺め、夜には住処へ戻った。いや、これこそが正月なのだろう。

ただ僕は、血縁の元気な姿を確認できればそれで良かった。なかなか会えない上の弟には逢えずに終わったが、彼らしく生きているということだった。



帰る場所は、あるのだろう。でも今はとてもその気になれない。つい数年前はその土地に帰ることも夢見たが、その気持ちもすっかり消えてしまった。

街にも人にも、じぶんが求めるものが皆無。それだけのこと。地元を面白い様に変えるという選択肢もあるのだろうが、絶対数すら減る一方で、衰退していく街そのものがもう答えなのではないか。そこに住む多くの人間は変化を求めていないという証拠だろう。ただ現状に飼い慣らされ、朽ちていくのを待つのみ。変化を求めるなら出ていった方が早い。そうやって多くの人間が田舎を捨てるに違いない。たとえ変化を求める当事者が立ち上がったとしても、きっと変わり者と呼ばわりされ相手にされないのだろう。

そう、あそこはまるでこの国の縮図の様。

元凶を辿れば国についての批判が始まるに違いないので、今回はここで終わる。



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